時計好きのひとり言,1 / Gauche・k・竹内 |
2004年5月27日 |
|
今回から古い時計を趣味に持つGauche・k・竹内氏から頂いた原稿を何度かに別けて搭載します。なお写真は当店のイメージで載せたものです。
「時計好きのひとり言、1」 30代後半を迎え、ブラームスがことのほか好きになってきた。 中低音を充実させた厚みのある響き、枯野を行くような寂漠とした趣き、そして時おり訪れる何とも言えぬ高揚感。 ち密で個性的な作風は、アンティーク時計でいえば渋い「モバード」あたりであろうか(ちなみにバッハがパテック、モーツァルトがカルティエ、ベートーベンはロレックスといった感じ。第九はデイトナ・エキゾチックか)。 年齢を重ね、挫折や病気を体験してこそ、この作曲家の味わいがわかるような気がする。筆者はチェロを弾くので,たまにソナタ第一番をさらったりするが、ブラームスらしい深い響きには一生かかってもたどりつきそうにない。 さて、CDのおすすめはフルトヴェングラー/ベルリン・フィルの交響曲第一番('52年)、シューリヒト/バイエルン放送響の交響曲第四番、ラドゥ・ルプーの後期ピアノ小品集など。 モバード・ファンならずとも、ぜひ一聴を。
写真(上)MOVADO社のTIFFANYウォッチ、1940年代 写真(下)BRAHMS/後期ピアノ作品集:ヴァレリー・アファナシエフ
|
|