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オリジナリティとは、いったいどのあたりまでのことを表す言葉なのでしょうか。洋画家の和田氏が、イタリア人画家アルベルト・スギ氏の絵の盗作疑惑で、文部科学大臣賞と東郷青児美術館賞を取り消された事件で、和田氏の存在とアルベルト・スギ氏の存在を初めて知ったわけです。一般にご存知だった方もおそらく少数かと思います。 モノが出来あがるプロセスにおいて、大方の場合、過去の視覚体験が大きなウェイトを占めているような気がします。何もない状態からより、過去の名作から学ぶことは有益なことですが、何パーセントからオリジナルと呼べる基準がない世界ではパクリを感じさせることも多くあるわけです。 時計の世界は1970年頃には様々なスタイルが出来上がっていて、今はその遺産をベースに生産がなされています。一般に和田氏やスギ氏を知らなかったように、50年前の軍用時計も殆ど知られていませんが、それをヒントに、いや無意識的にヒントとする場合もあったりすることには、特に違和感は感じていません。優れた部分は取り入れ残していけば良いと思います。露骨であると盗作疑惑になりかねませんが。
写真(上) LACO 1940年代、ドイツ空軍用時計 FRANK MULLER「SAHARA」 写真(下) SONNY ROLLINS(1957年)のCDと JOE JACKSON(1984年)のLP、煙草を持つ手の向きの違いがミソ 画面をクリックすると拡大画面でご覧頂けます。
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