時計好きのひとり言,2 / Gauche・k・竹内 |
2004年6月1日 |
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「時計好きのひとり言.2」/ Gauche・K・竹内氏
15年ほど前から時計、特にアンティークウォッチに恋い焦がれるようになり、おそらく300本近くを手にしただろうか。 職を失って没落貴族のようにコレクションを手放し、今はロレックスのオイスターデイト('53製)、初期のスウォッチ('86製)、最近入手した小型のGショック「Club-G」の3本となってしまった。 普段、使い回すにはこの3本でちょうどよいくらいだが、小雨の降る夜などは、過去に所有した愛すべき時計たちが、別れた女のように思い出されてくる。 まずは、結婚式の数日前に大阪で買った'50年代のバセロンPG。新婚旅行や子供の誕生など大切な時を刻んでくれたモノだけに思い入れは深い。バランスのとれたダイヤルとおなじみのニードル針、手のこんだムーブメントは、現在のランゲ&ゾーネといえども遠く及ばないであろう。 それから、金色のバーインデックスにブルースチールの針が美しい'30年代のバブルバックSS、寺口さんにゆずっていただいたもので、シンプルだが、初期の製造物のみがもつ迫力があり、今も手放したことを悔やむ。 一本ずつ挙げていけばキリがないが、去っていったこれら時計たちが自分の目を鍛えてくれたことは確かである。アンティークウォッチとの出会いと別れ。人と同じく、まさに一期一会だと思う。
写真(上)Vacheron Constantin 、最近はバシュロン&コンスタンタンと呼ばれている。1950年代製 写真(下)「Good Old Boys」ランディー・ニューマンのLP、1974年 写真はイメージです。クリックすると拡大画面になります。
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