2024年4月2日
国産のヴィンテージ時計に興味を持つキッカケとなった時計をご紹介します。
「CITIZEN CALENDAR WATCH」1951年製造 昭和26年の手巻き時計です。
たしか3年間程作られていたと思います。基本的な大きさは同じで、ケースの足のデザインが少し変化するのと、文字盤のデザインが変化していきます。
最初に手に入れたモノは海外向けで、曜日の表記が英語のみで、海外で買い付けをした業者から譲ってもらいました。
ケースは14K金張りと同じく14KホワイトGFのものが大半で、ステンレススティールのモノはないようです。
それとわずかに18金無垢のケースも存在するようですが、手に入れたことはありません。
外径33,5mm 厚12mm 写真で見る雰囲気より大きさがあると思います。
年代から考えるにスイスのMOVADO やJaeger Lecoultreらのカレンダー時計を参考にしたのだと思います。
表示の切り換えは10時位置のプッシュボタンで「月」2時位置で「曜日」4時位置が外周「日付」が操作出来ます。
戦後の営業職に於いて、時間と共にカレンダーが必要になり、その要望に応えるために作られた時計です。
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2024年2月24日
「エクセルシオール・パーク」というメーカーは日本では殆ど馴染みが無く、
当然目にすることも極少ないメーカーですが、歴史は古く1888年スイス・サンティミヱで操業を始めています。
エクセルシオール・パークのクロノグラフ・ムーヴメントの評価は高く、ギャレットやジラール・ペルゴらハイ・スペックを誇る時計メーカーにクロノグラフ・ムーヴメントを供給しています。
同時に自らの時計の生産もしており、その作りの良さも一定の評価を得ており、その特徴的なプッシュの操作性は他のクロノグラフにはない感触が最大の特徴だと言えます。
とりわけキャリバー4は見た目のバランスの良さも含めずっと鑑賞に堪えうる手巻きムーヴメントだと思います。
初めて見てから30年以上の年月が経ちましたが、コンディションの整ったモノを見つけるたびにチェックする数少ない時計ではあります。
もう今では見かけることもなくなりましたが、1950年代には日本の航空自衛隊が正式採用りしており、エクシオール・パークの裏蓋には桜マークの刻印の入ったモデルが存在し、その経緯は不明ながらあの頃入手しなかったことを後悔しています。当時、確か17万円位で流通していました。
今回のモデルは1940年代抜群のコンディションのモノで、やはりその機械に惚れた持ち主がウラスケにしてあります。もちろんオリジナルの裏蓋も存在します。
思い出深い時計の一つです。
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2023年10月2日
Blancpan : プラスチック & Alain Silverstein : KRONO-R
今となるとどちらも時代を感じさせてくれるモデルです。
プラスチック製の「フィフティーファゾモス」はスケルトン・バックの自動巻きで、
「オメガ・スウォッチ」から進化と見るべきですが、昔ブルガリのプラスチック・ケースを
思い出してしまいました。そのモヤモヤ感は、今日から発令されたインボイス制度とも
共通した思いです。
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2023年9月5日
GUB : GLASHUTE-SA / 1956年・旧東ドイツ製・手巻き
「GENEVE」という表記はスイスに於いて最高級の品質を保証する品のみ文字盤上に表記を許され、「CHRONOMETER」の以上に工芸品的な仕上げを要求されるものです。
ドイツに於いては「GLASHUTE-SA」がそれに当たります。
ただ、スイスとは違い工芸品的仕上げまではなされていません。
1950年代のこの手巻きは「GUB」社製の手巻き時計で、現在の
「A.Lange & Sohne.co」社の古いモデルです。
現在の高級時計も過去ではごく普通のモデルが多く存在していました。
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2023年7月11日
少し前の新聞に「PATEK PHILIPPE」の落札記事を見つけました。
中国最後の皇帝「溥儀・ふぎ」が所有していたスペシャルなモデルで、アジアのコレクターが8億7千万円で落札した模様です。
腕時計としては非常に高額には違いありませんが、最近の色々なニュースの中では金額的にはもう驚かなくなっています。
「パテック」や「ロレックス」のスペシャル・モデルに関しては普通に億超えのモノも珍しくなく、ポケモンカードでも億超えのカードが出現するモンスターな世界に突入している現実の中では、溥儀の時計さえも地味で話題にもならないニュースとして、片隅にヒッソリと掲載された印象でした。
これも少し前のことですが、福井県の鯖江市に世界最大の眼鏡組織である「ルックスオティカ」の日本工場が建設され、工場見学に行きました。海外の賓客を迎えるためか、枯山水の石庭や四季の庭には錦鯉が泳ぐ凄いところでした。
残念ながら、内部はメガネ以外は撮影禁止でした。
OLIVER PEOPLESの新作
これまた少し前になりますが、京都・二条城を一部を利用して行われたファッション写真展は、国宝の贅沢な空間を利用しての展覧会ということもあり、世界中からVIPな方達も集結していました。
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2023年5月16日
当店のご町内に最近「レコード屋」さんがオープンしました。
息子世代の経営者で、あらゆる分野、年代のレコードの品揃えがあって楽しめ、世のレコード・ブームの話は知っていましたが、リアル店舗の出現はそのまま現実世界となりました。
「popeye」の最新刊は「レコードと時計」です。
ここ何年も時計雑誌を買う気になれなかったのは、お宝時計か、爆上がりの投機時計の内容のモノが主だったからです。
「クォーク」の白昼高級時計強奪事件の後の世界が、
「レコードと時計」という平和でノスタルジックな世界であることは喜ばしいことです。
40数年前に買ったTHE BAND「music from bigpink」
1950年代の「シチズン・カレンダー」
1980年代「セイコー・ダイバーズ150m」
時計の世界にハマるキッカケとなった時計達です。
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2023年4月8日
入学式や入社式も終わっての週末です。
この季節は只でさえ眠く、タラタラしてしまいますが、頑張って下さい。
今年度も仕事はつづけますので、のんびり始めようと思っていますが、ここ最近の傾向として、時計に関しては修理依頼のお客様が多く、これは2000年以降の機械時計、高級時計のブームの影響が大きいと分析しています。
とりあえず、「ロレックス」や「パネライ」や「カルティエ」や「オメガ」や「ブライトリング」やといった腕時計を使いはじめて、それから20年以上経過して、オーバーホール、それ以上の修理が必要となってきているのだと思います。
それらの対応に追われる日々を送っています。
SEIKO : KS chronometer 1970年
LONGINES : 1940年代
ROLEX : Oyster Perpetual Cal.1570 1970年
時計のムーブメントを眺めるのは個人的な趣味の一つなので、苦痛はありませんが、やっぱり「手巻き」の機械はイイですね。
国産では「キングセイコー」、スイスでは「ロンジン」の1930年代〜1960年代のモノが特に好みです。
自動巻きはパテックのムーヴメントが良いと思います。
ゴールドのローターが効いています。
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2023年4月1日
一月
二月
三月は
例年のようにあっという間に過ぎ去りました。
北陸の冬はことの外厳しいのですが、それも短く感じた2023年です。
そして早くも桜は満開となり、新年度がハジマリハジマリ。
CITIZEN : 「ジャリ O'clock」GOLD & SILVER by Shinro Ohtake
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2022年12月20日
秋の「メガネ・フェア」が終わって、今は「ジュエリー・フェア」に突入しています。
この時期、疲労は蓄積してきてピークに近く、後半はもうヘトヘトの息切れ状態で、後は温泉に入って熱燗に鍋をつつきたい、「早く来いお正月」の状況になっています。
修理では、時折「オッ!」と思えるヴィンテージ・ムーブメントとの出会いがあります。
通常は平凡なクォーツの電池交換や修理、自動巻きは量産品が多いので、淡々と修理をしていますが、時折、こういったモノを見ると新鮮で、やる気が出るのです。
北陸の冬は厳しく、長いので、かつてスイスのジュラ渓谷で行われていた屋根裏部屋で時計の修理作業のように、溜った修理品を一個づつ直して、厳しい冬の季節を乗り越えたい願う、師走です。
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2022年10月22日
山は紅葉し、今は高度1500m位におりて来ています。
空気が澄んで山の稜線が美しい季節になりました。
仕事はスローな日々が続いていますが、懐かしい時計のメンテナンスの時期なのか、
何となく忙しい作業に追われています。
1995年に当店でお求め頂きました「ROLEX : GMT-MASTER 」Ref.16700
修理依頼でお預かりしました。
販売時からは、もう27年が経過していました。
通称「ペプシ」、発売から40年が経ったスポーツモデルです。
当時購入した方達が、色々な理由でメンテナンスに出される日々です。
先週の紅葉は標高2000m付近でした。下方が黒部ダムです。
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